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山へ

山小屋の小さな窓から外を伺う。まだ夜は明けていない。

午前4時、月が地平線に近づいて行く。
ヘッドランプでザックの中を照らし、朝食の準備をする。
バーナーに火をつけ、湯を沸かす。
フリースを着ても肌寒い小屋の炊事場に温かい湯気が立つ。
昨日の疲れもあり、寝起きでぼうっとしている。
朝ご飯のおかゆを食べるとやっと意識がはっきりしてくる。

出発の準備を整え標高3000mのテラスに立つ。
遠くの山々の稜線がうっすらと見えてきた。夜明けが近づいている。
今日は長い一日になる。
午前5時前の出発、次の小屋に着くのはきっと午後3時くらいになるだろう。
まだ暗い足下を見ながら谷を下っていく。

すこし歩くと稜線に出た。
どこまでも広がる雲海の彼方から、一際強い光を放って太陽が昇ってくる。
冷たい灰色だった山が、朝焼けの光を浴びてオレンジ色に染まっていく。

夜明けの時、静かに世界が変わって行く。光だけでなく、空気も、風も。
刻一刻変わって行く世界を見ながら、何とかこの瞬間をとらえたくてシャッターを切った。

山へ。
日常から離れた自然の中へ。
繰り返す日々の中に、限りなく美しい瞬間が確かに存在している。
それを見つけに、あるいは忘れないために、人は山へ行くのかもしれない。


写真、文  國友 陽子


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